寄せられた質問に私の考え方を真摯に答えます。

報道機関からアンケートをいくつか頂戴しました。択一方式から記述回答までいろいろな形式でありますが、その質問への回答の基にある私の考え方を、公開することにいたしました。

なぜなら、単純に「保育料の無料化をする・しない」の質問の場合、多くの立候補予定者の回答は「保育料無料化に賛成します。」でしょう。この場合、回答だけでは伝わらない候補者の考えを正直にお伝えしたいと思います。

財政に余裕があれば「保育」も「給食」「医療費」も、全ての市民サービスの負担減が出来ます。しかし現実はそうではありません。財源には限りがあります、だからこそ単一政策の賛否の表明ではなく、政策全体の中でどの事業を優先するか?その考え方を説明したいと思います。

例えば「子育て支援」は「給食費の負担減」だけではありません。

・医療費・保育料・ワクチン・幼稚園、保育園・・・

「教育力の向上」も「30人学級化」だけでは出来ません。「発達障がい児童、生徒支援」「不登校」「スポーツ」・・・・やるべき課題はたくさんあります。

予算は有限です。だから政治リーダーは限られた財源の中で事業の優先順位を付けざるを得ません。すべてのサービスを実施するなら、既存の他のサービスを廃止するか、市役所が財源を生む事業をするしか方法はありません。財源なき公約は虚構でしかありません。

下記に質問の項目と回答、その考え方を記載します。 

 ―保育料の無料化を拡充しますか?―

回答 はい
考え方
前橋市では子育て支援として現在第3子の保育料を無料化しております。今後も拡充していきます。

しかし「第2子の保育料無料化」には更に10億円のお金が必要です。ここまでの拡大は他の事業を廃止しなければ不可能です。したがって私は所得制限付き第2子無料化などを検討します。保育料の支援以外にも「お母さんを応援する子育て支援策」はあります。それぞれに意味があります。切れ目のないバランスの取れた支援を行って子育て支援を拡充します。

例えば

  1. 不妊・不育治療支援
  2. 幼稚園・保育園の経営の安定化。待機児童ゼロも継続、学童保育・・・
  3. 発達障がい児支援、不登校・ひきこもり対策
  4. ワクチンの助成、健康診断、子どもの遊び場整備
  5. 通学路の安全確保・・・

単純に「保育料をどうする?」との議論で単一政策の拡充を問うのでなく子育て環境を広範に考えれば一点突破型の政治は危険です。私はバランスを考えながら「子育ての環境を改善します。」

―小中学校の30人学級を進めますか?―

回答 はい
考え方
「30人学級への全校実施に向かって着実に取り組んでいます。」
私は「教師が子どもと触れ合える時間を増やし、子どもの個性を伸ばせる教育」を目指して4年間進んできました。
現在の小中学校のすべてを30人学級にするには教師の増員人件費で10億円が掛ります(教室の増築は別途必要です)。

就任直後に佐藤教育長さんへ30人学級化をお願いしました。しかし教育長さんの意見は「ポンと10億円を使って30人学級化をしても教師の多忙感はなくなりません。発達障害児や不登校へのケアの専門員が最優先です。」というものでした。

教育政策は教育の現場の意見を優先するべきと私は考えます。そしてその目的「教師が子どもと触れ合える時間を増やし、子どもの個性を伸ばせる教育」に向かって一歩一歩前進しています。

その経過と展望は以下のとおりです。

  1. 先ずは発達障害の子どもの為に学習支援員を配置しました。
  2. 不登校やひきこもりの子どもを学校に復帰させる人員も配置しました。
  3. 小学校5・6年生の単学級の35人クラスを実施しました。
  4. 貧困世帯の生徒への補習塾を実施しました。
  5. すべての5歳児を対象に発達障害検診を行い、今後の個性を伸ばせるケアを行う体制整備に取り組みました。
  6. 中学校を不登校のままで卒業し、ひきこもりになった若者への支援も始めます。
  7. 教師が子どもと触れ合う時間を確保するために、前橋市独自の教員(教科指導講師)の配置を進めます。
  8. 教職員の事務負担の軽減のために補助員(校務補助員・クラーク)の配置を行います。

したがって今後も「30人学級への全校実施に向かって着実に取り組んでいきます。」

―給食費の無料化の拡充―

回答 はい
考え方
もちろん、今後も負担軽減に取り組みます。
そもそも、給食費は「給食の食材費は保護者、給食を作る人件費などの経費は市役所」で分担されて居ます。つまり、給食費は今でも、半分は市の負担となっています。さらには生活困窮世帯のお子さんの給食費は無料になっています。

加えて私は「義務教育在学の第3子の無料化」を行いました。
今後もやり繰りしながら、対象範囲の拡充を行いたいと思います。

しかし、全額無料となれば食材費14億円を市が負担することになります。どんなにやり繰りしても14億円を工面するのは厳しい現実があります。

むしろ「もっと美味しい給食、地産地消の給食、伝統の食」を食べさせてあげるべきです。前橋市の学校給食における地元食材の占める割合は全国上位です(野菜48% 豚肉80% 牛肉100% 米100%)。もっと安全で美味しい食事を提供する努力をさせてください。

―市役所業務の民間委託化を進めますか?―

回答 はい
考え方
26年度の行財政改革計画に位置付けた施策の財政効果は、15.9億円となりました。
【人件費の削減や補助金の見直しを進め、経費削減が約5.9億円、有料広告の推進や普通財産の売却等による歳入確保額が約10.0億円となり、平成26年度の取組結果による成果の合計は約15.9億円】

主な実績及び財政効果(平成26年度)

  • 職員数の適正化:約1.6億円削減
  • 外郭団体の適正化・自立促進→約2,000万円削減
  • 補助金の見直しと公表→約2.7億円削減
  • 普通財産の売払い→約1.5億円歳入確保
  • 有料広告推進→約3,400万円歳入確保

この26年度の行革によって生みだした財源は市民のための財源になります。
常に効率的な行政運営を継続することは当然の政治責任です。その中でも市役所の業務で民間に任せられる分野は積極的に任せていきます。27年度はこれに加えて太陽光発電の収益4,000万円が加わります。

【28年度の前橋市の行政改革計画】http://www.city.maebashi.gunma.jp/sisei/499/504/p001633.html

28年度は公用車両の民間とのカーシェア等による保有台数の削減などをはじめ、思い切った経費削減を進め、市民を支える予算に回します。

逆の見方をすれば、
「行財政改革が出来ない政治では市民を支える予算を生みだせない。」
と考えます。

―シティープロモーションを拡充しますか?―

回答 はい
考え方
前橋市に足りないものは「発信力」です。
本市の魅力、今ある宝を再認識して発信するシティプロモーションは今後更に重要になります。まずは市民が前橋プライドを持ち、おもてなしの心を育て、市外からの交流人口を増やすために、赤城山ツーリズムの推進、「前橋ブランド」の開発・周知、名所旧跡伝統の発掘発信、アーツ前橋や文学館を中心とした文化芸術による街おこし等を進めます。

人が集まる都市となっていくために、前橋市は情報発信を拡充するべきです。

  • 前橋市内の大学や専修学校に学ぶ学生にも前橋にある企業の魅力を知らせること。
  • 市民一人ひとりが発信力、名誉顧問、観光大使、移住コンシェルジュなどを活用し本市の魅力を市内外に発信する。
  • 農業、歴史、自然など名物・名所を磨き発信します。

―マイナンバー制度を活用すべきか?―

回答 はい
考え方
行政の効率化と市民の利便性の向上を同時に実現できるように、前橋市はマイナンバー制度に全国で一番早く取り組んできました。情報化を利用するコンビニでの証明書発行によって市民は便利になり、市役所の業務は減り、人員削減ができます。

このような挑戦を行って、効率的な行政運営に努め無駄をなくすことは、政治家の責任です。

【取り組み】

  • 朝6:30から23時まで、しかも市役所での発行手数料よりも100円安く、各種証明書の発行がコンビニ等で交付できる仕組みを1月より開始しました。
  • 前橋市は4年間にわたり医療・健康記録の電子化による健康指導体制に取り組んできました。特に病院のレントゲンやMRIなどの診断画像の電子化による検査結果の共有は、患者さんにとっても有益な仕組みです。何度も検査を受ける無駄もなくなり、大きな検診写真を持ち歩かないで済みます。今後も大病院、地域診療機関、薬局などの医療系機関と福祉サービス機関との連携をマイナンバーカード利用によって進めます。効率的な医療・介護提供体制を目指します。
  • 母子手帳~学齢期の健康記録~成人後の各種健康診断記録~治療記録などを切れ目なく記録することで生涯の健康指導を行なえるように取り組んでいます。
  • 市内の公共交通(バス・電車・マイタク)などの乗車の支払いをカードで出来るように検討します。
  • ボランティアポイントなどを貯められる機能も検討中です。

―オリンピック・パラリンピックへの取り組み、スポーツ施設の整備や大会誘致予算を増やしますか?―

回答 どちらとも言えない
考え方
大きな競技会場建設に予算をつぎ込む必要はありません。外国選手団を接待して誘致することもしません。

しかし2019年ラグビーW-cup、2020年のオリンピック・パラリンピックに見える選手や訪問客を迎えることは日本が世界の国々に果たす役割です。それは建築、土木予算を拡充することではありません。オリンピック、パラリンピックは文化・健康・障がい者差別の解消などたくさんの意義を持っています。前橋市の名誉顧問であり、国際オリンピック委員会の副会長でもあった本市出身の猪谷千春氏の「東京からも近く、多くのスポーツインフラが整った前橋市が果たすべき役割は大きい。」の言葉のように、この機会に前橋らしい文化を磨き・健康的な環境を整え・障がい者の暮らし易い都市としての価値を作っていく機会にするべきです。合わせて外国からの来訪者を迎え、景観を整え、都市の魅力を増していくチャンスとして取り組みます。

―公共交通の充実に向けLRT(路面電車)導入を検討するべきか?―

回答 はい
考え方
高齢化社会の宿命は、車の運転をしない交通弱者が増えることです。前橋市も団塊の世代の高齢化に伴い、買い物や医療機関への通院の移動の手段としての公共交通の必要性が急拡大します。1月23日から始まったタクシーの補助制度「マイタク」も高齢者や障がい者、妊婦さんへの交通支援策です。LRTも含め、あらゆる交通支援策を今後検討することは政治の責任であり、検討しないことは怠慢です。

また一方、外出支援の交通弱者支援とは反対にご自宅への買い物配達支援や医療や介護、福祉の自宅への訪問サービスの拡充によって自宅での生活を支援します。

 ―養蚕農家への支援を拡充しますか?―

回答 はい
考え方
群馬県が助成を27年度から始めています。前橋市においても群馬県との協調対応を行う予定です。

―北口のエキータに行政が主導してテナントを誘致しますか?―

回答 どちらとも言えない
考え方
現在も、空き店舗への入居・開業を支援する制度があります。中心市街でも、この制度を利用してこの3年間で58店舗以上の開業がありましたそもそも民間の施設であり、どこまで行政が応援するべきかの議論が必要です。

むしろJR前橋駅前では、民間資本による再開発ビルの建設が予定されています。これらの施設や公共交通の活性化も取り組んでいます。このような駅の交通量の拡大によって既存の商業ビルの空きスペースが埋まっていくような自主的な努力もお願いしております。

―高崎市を含めた広域合併を検討するか?―

回答 どちらとも言えない
考え方
地域が共に活性化するためには、「合併」もあれば「連帯」もあります。先ずは連携を深めて、それぞれの都市の得意分野を伸ばし補完することが大切です。お互いが張りあって、あれもこれも・・・」では無駄が生まれます。

前橋は医療健康都市としての優れた機能があります。それぞれの都市がすべての機能を持つのではなく、得意分野を伸ばし連携していくべきです。競い合って、ない物ねだりでは無駄や無理が生まれます。連携が大切です。

交通の乗り入れや、電算システムの共有化などを進めています。

合併による政令市を作るとの構想は道州制議論の進展を確認しながら、研究を進めていきます。

―人口減少対策に関しての認識と対策は?―

考え方
日本の総人口が2100年に5,000万人弱になるとする「人口減」には、大きな危機感を持っています。人口減少は地域の衰退に直結し、行政サービスの低下を招きします。

「人口減」では、特に年少者、生産年齢者、老年者の割合が大きな問題となるため、「若者の結婚出産子育ての希望をかなえる」「若者の定着と高齢者の活躍、健康寿命の延伸」が重要になります。施策としては、「出会いの機会の応援」「安定的な雇用と収入の確保」「2人目の壁打破」「子どもの育ちを支える教育」「大学生の定着と高等教育機関の魅力向上」「ふるさと就職を促す魅力あるしごとづくり」「交流人口の増加と移住・定住促進」「生涯活躍のまちづくり」等を対策の柱に考えています。

―人口を増やすためにUIJターンによる若者雇用へ助成をしますか?ー

回答 はい
考え方
人口が減れば、買い物客が減り商店はなくなります。また電車の乗客が減り鉄道会社は本数を減らし、さらには鉄道も廃止されます。人口の減少により企業は働き手も消費者も失っていきます。

同じように、人口が減ることは行政サービスの低下につながります。人口を増やす政策は最優先です。東京では保育園の入所出来ずに入る子ども託児所は月15万円もの月謝です。先ずは前橋に子育てしやすい環境をつくり、東京の若者に知らせることが大切です。その次には働く場所の宣伝です。そして雇用奨励の助成を行い若者を呼び込みます。

  • 前橋市では「前橋市に移り住み働く方」と「前橋市内の受け皿企業」へ一時金の支給を行います。※28年度予算案に計上中
  • 前橋市の外から移住される方の住居として「空き家整備補助」も27年度から行っています。この制度を利用される29名の転入者がすでにおられます。

 ―日赤病院跡地の活用について前橋市での医療・介護体制― 

日赤病院跡地を放置することは出来ません。前橋市にとって有効に活用すべきです。また、日赤病院が移転する際に地元の方々と「この跡地には医療機能を残す」と表明してきました。その為にも単なる夜間休日診療センターだけではなく、地域の市民に対して訪問医療や訪問介護、リハビリ、訪問しての薬の指導など在宅支援を行うセンター機能の可能性について国から交付された費用で研究を始めました。

この日赤跡地も含め前橋市全域に在宅高齢者の支援センターを東西南北それぞれに配置していきたいと考えています。そのモデルが日赤病院の跡地の構想です。

前橋にすでにある医療・介護の多職種の連携で地域市民の在宅での健康を守る仕組みの拠点として設置したいと検討しています。【在宅包括支援センター】

―中心市街地活性化対策を行いますか?-

回答 はい
考え方
JR前橋駅から県民会館までの中心市街地が長期間放置されてきたと私は考えています。商業の集積地はもちろん移動します。しかし中心市街地は人が集まる、交流する場所であり、本市のシンボルです。そのため、活性化は必要であり、市民による自由なイベント推進、市民や商工会議所、民間企業と連携した街おこし、歴史文化・サブカルチャーの活用、広瀬川テラス構想の推進等を進めています。

4年間、「中心市街地に住む人訪れる人を増やす。」方向で取り組んできました。58軒の空き店舗のシャッターが開きました。今後もこの方針により、行政が大型ビルを建てることを止めます。市長の独断で作る箱ものは無駄です。その代り民間団体や市民の企画を応援する仕組みを作ります。

中心市街地は市民の空間です。訪れる楽しみを増やし、暮らす人を増やすために知恵をもって取り組みます。おかげ様で市民自らがいろいろな企画を中心市街地で活動されるようになりました。もっと力を貸して下さい。

―首長の多選の弊害についての如何に考えていますか?―

難しい質問です。多選の弊害とはマンネリ化により首長の視線の固定化によって、新しい行政課題への気づきが遅れることです。特定の取り巻きによって裸の王様になる危険もあります。

一方、継続性による政策の積み上げという効果もあります。功罪半ばではないでしょうか?

常に市民の声を聞きながら。時々刻々と変わる政治課題へ弾力的に対応をしながら、長期ビジョンの実現を目指すという政治モデルが都市づくりには必要です。

―市長に求められる資質は何だと考えていますか?―

これも難しい質問です。一言で「信頼」です。人から信頼される事。人を信頼する事。誰だって怠けたいと思います。でも「人からの期待を裏切れない。」と思い直して努力するのです。

「信頼」で市民と結ばれて行きたいと思います。

―税金の収納を優しくするとの公約の取り組みについて―

「問答無用の取り立てはしない。」「納税相談を丁寧にする。」と取り組んできました。滞納が発生した方へ通知を送り、電話や訪問して「相談に来て下さい。」とお願いをする仕組みを作ってきました。※前橋市では納税相談に弁護士、会計士、税理士さんの立ち合いを認めています。立ち会っていただければ、問答無用でないことが判ります。

市長就任後に新たに取り組んだことは以下です。

  1. 納税相談の機会拡充・丁寧な対応
    本市独自の新たな任意整理手法として、市税コールセンターを設置したほか、訪問嘱託員による納付の呼びかけや催告書等の発送業務を強化することにより納税を願いしています。
    以下のように納税のお願いを何度も何度も行っています。
    *4年間の実績(H24年度~H27年度※)
    ・訪問嘱託員(訪問件数:175,331件)
    ・コールセンター(架電数:5,952件)
    ・催告書・最終催告書等(発送数:199,103件)
  2. 納税環境の拡充整備(ライフスタイルに合わせた納税手段の導入)
    多様化する納税者のライフスタイルに合わせ、ペイジー、クレジット、モバイルレジなどの電子納付手段を導入することにより、全国的にも最高水準の納税環境を確立し、納税者の利便向上を図ってきました。
    また、口座振替をしていない納税者すべてを対象に3年間をかけて口座振替依頼書を封入するなど、納税者にとって手間が少なくするようにに努めてきました。

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