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大地に芸術祭 仲間から感想が届きました

大地の芸術祭

草津国際音楽アカデミー&フェスティバルの中止が検討されている中、大地の芸術祭を見学して、何が違うのか個人的に感じたことを記述する。

1. コンセプト

2. ターゲット

3. 地域性

4. コスト

1 コンセプト

音楽が刹那的な芸術であるのに対し、大地の芸術祭に関しては期間中以外でもいつでも継続して楽しめるものである。ここにコンセプトの最大の違いがある。

観光資源として考えた場合、瞬間的な集客効果では期間限定の音楽祭の方が効果的であり、また、効果が分かりやすい。しかし、効果は分かりにくいが、いつ行っても見れるものというのは、ある程度企画の知名度があり、内容が良ければ集客の基盤としては非常に有効である。

お役所主導の草津町の観光政策では、どうしても効果が分かりやすく数字として表れやすい期間を区切ったイベントが多くなり、数字の大小によって継続・中止を検討しがちである。

2 ターゲット

音楽祭の対象は音楽を聴きに来る、もしくは習いに来る町外からの観光客が主体であり、あくまでも営利目的のイベントであり、現状の音楽祭では地域住民が楽しめるイベントではない。

大地の芸術祭については、展示作品や地域住民の様子を見る限り、集客はもちろんであるが、地域住民の参加が多く目についた。

3 地域性

草津町は日本有数の温泉観光地、越後妻有地域は日本有数の農業地域と、全く異なる地域性である。

観光地である草津町は町民のほとんどが観光業に何らかの形で携わり生活をしている。産業のほとんどがサービス業で成り立っているといっても過言ではない。そのためかどうかは分からないが、町の観光政策そのもの自体がいかに観光客にお金を使わせるかが主体であり、ついつい目先の利益に走りがちであるように感じられる。

越後妻有に関しては地域の主たる産業が農業であり、観光については力を入れなくても地域経済が成り立つと考えられるので、イベントについても草津のような観光客のみをターゲットとしたものにする必要性が無く、ここに大きな違いがあると感じられた。

4 コスト

音楽祭のように短期集中のイベントについては、費用対効果が分かりやすく、それによって継続・中止の判断がしやすい。分かりやすいがために、短期的な費用対効果のみに注目してしまい、長期的な費用対効果についてはあまり検討されないのではないかと思われる。期間限定のイベントであるため、コストについても1回開催するごとにその都度掛かるコストのほぼ全額が必要となる。

大地の芸術祭についてはこれに比較すると費用対効果が分かりにくく、費用対効果についてもコンセプト上、長いスパンで考える必要性が大きく、単純には分かりにくい。トリエンナーレということで3年に1回ほど重点的にコストが掛かる計算になるが、以前の作品については維持費のみであり、3年に1回毎、イベントの拡充にコストを割ける計算になる。

考察

単純に上記4点のうち、1・2・3の3点にしぼって個人的に感想を述べる。

1-2 コンセプト・ターゲット

草津町のイベントに関しては例として音楽祭を取り上げたが、事実上の観光イベントである温泉祭や虫取り体験、スキー場イベント等、ほとんど全てがイベント期間中以外には何の効果も見出せない短期的なイベントであり、あくまでも観光客のみを対象としたイベントである。現状の草津町で住民が参加して楽しむイベントは白根神社の祭くらいしか思い浮かばない。

住民参加のないイベントは住民の理解を得にくく、単に費用対効果のみを求める結果となりがちである。費用対効果が上がればこれはこれで観光イベントとしては大成功なのは否定しないが、これでは費用対効果のないものは全て失敗であり、そこに継続する意味はないことになる。

文化というものはある程度の継続を経て初めて文化と呼べるものである。単なるイベントから、それを文化として売りにできるように昇華させることができるかどうか、ここが課題になるのではないだろうか。

大地の芸術祭に関しては、費用対効果はもちろん考えているのだろうが、住民参加が占める割合が草津のイベントと比較して多く感じられた。北川さんがイベントを離れたらこのイベントが継続するかどうかは分からないと言っていたが、住民が楽しめるイベントであれば継続する可能性は高いであろう。

3 地域性

観光地と農業地域という違いから、単純に比較することはできないが、草津町は単純に目先の利益にばかりとらわれているように感じられ、草津温泉という名湯が無ければ他に何の魅力もないつまらない町であると実感させられた。住民のほとんどが如何に観光客からお金を取るかしか考えていない。主たる産業がサービス業ならば、サービスに徹し、プロとして自分のサービスにプライドを持って接客しなければならない。実際にサービスにプライドを持てる人間が草津に何人いるのであろうか?

越後妻有地域の住民と話す機会があった。その方は農作物のことを色々と話してくださったが、自分達の地域でとれた農作物に自信を持ち、プライドを持っていることが話の節々から良く理解できた。

草津町内で「不景気だからお客さんが来ない」とよく聞かされるが、そうではない。入れ込みは日帰り客を含めて年間300万人とのことだ。ある客先の今年の新年会で、今年は過去最高益だと聞かされた。入っているところには入っているのである。「不景気だから来ない」と言っている人のこの言葉が全てである。そう思っているから来ない、そこに気づかなくてはバブルでも再来しない限りお客は来ない。同じことが草津全体にも言えるのではないだろうか?天下の名湯にあぐらをかいてばかりで危機感が無さ過ぎる。農業地域でさえ観光客を集客している。観光以外に何もない草津町としてはもっと危機感を持たなくてはならない。

大地の芸術祭についての感想

芸術のことはさっぱり分からない素人なので、芸術的な評価は全く不可能であるが、個人的に印象深く感じたのは最初に見た131「うつすいえ」と139「伊沢和紙を育てる」の2点。建物の古さというかボロさというか、味のある建物の中に、アイデアや伝統的な技術が融合し、非現実的な世界を感じた。お金はそれほど掛かっていないであろうが、手間は相当掛かったのではなかろうか。

評判の63「光の館」はただお金の掛かったきれいな施設といった印象しか持てず、上記2点と比べると全く芸術性を感じなかった。お金を掛ければいくらでも量産できそうだし・・・。ただし、宿泊施設として利用してみたいとは思った。芸術というよりは商業施設?

感動したのは182「かかしのこどもたち」。芸術的評価はおそらく皆無なのだろうが、北川さんの言っていた大地の芸術祭のコンセプトを強く感じることができた。芸術家の自己満足では意味がない。草津の音楽祭は主催者側の自己満足で終わってしまっているのではなかろうか?イベントの内容を深く考えさせられる作品だったと思う。

草津の音楽祭は30回を迎え、継続か中止かという局面を迎えている。大地の芸術祭が30年間開催されるかどうかはまだ分からず、どちらがイベントとして成功なのかはまだ分からないが、地域住民の要望がある限り、規模の大小は別として、続けることは可能であろう。やってる側が楽しまなきゃ、見に来た人も楽しめる訳ないじゃん!そんなことを考えさせられるイベントだった。

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2009年09月15日 15:03に投稿されたエントリーのページです。

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